2012年10月21日日曜日

名古屋にて その2

名古屋市のヤマザキ マザック美術館さんを訪れました。
www.mazak-art.com

ロココからエコール・ド・パリまでの絵画、
エミール・ガレに代表されるアール・ヌーヴォー、アール・デコのガラスなど、
18世紀から20世紀のフランス美術の流れが一望できる見事なコレクションの美術館です。



写真は、エミール ガレの《海藻文花器》(1900~1904年)。
ガレの晩年の作品の中でも、特にガレが「死を意識して」つくった「ガレの中のガレ」と言える作品です。
よく見る売れ筋の作品とは、明らかに一線を画した力強さが溢れ出しています。

この他、1900年パリ万博出品作の、ペン皿「緑色の善良な小市民」など、逸品が勢揃い。

副館長の山崎照子さんから、
「エミール・ガレ作品は、ガレ生存中の作にこだわりました。」と、
収集作品に対する熱い思いをうかがいました。
そのお言葉から、作者が追求していた表現を真に理解しようとする姿勢がヒシヒシと伝わってきました。

鑑賞スペースへのこだわりも徹底されています。
18世紀のサロンを再現したかのような室内空間。
空調も、エアダクトを床に配置されるなど、鑑賞を妨げるものを排除。

コレクション自体の充実度はもちろんのこと、
「見せる」という観点での美に対する情熱にも、作り手の私自身、感銘を受けました。

学ばせていただく点が多く、ぜひ、また訪れたい美術館のひとつです。