2012年7月16日月曜日

道具が結ぶ「心と心」 茶会にて

「今日の茶の美術の在り方に徹底して取り組みたい」というお考えで
林屋晴三先生が続けていらっしゃる茶会は、36回目を迎えた。

会場となる新宿の柿傳には、毎回大勢のファンが詰めかける。

人間国宝から若手まで、現存の作家の作品を従来の常識を破って取り合わせられる。
和やかな雰囲気で進められる茶会は、
流派も茶道の経験も、服装も問わない、他には見られない茶会だ。


林屋先生が作り出す現代の茶の湯の世界に、出席者は皆まず驚く。
今までの茶室には無かったものがそこにあり、次第に皆、心地良くもてなされる。

道具や掛け物、お菓子、花について伺いながら、
それらに触れながら楽しませていただく。

亭主と客、はじめて出会った客同士が互いに、和気あいあいと道具について会話を重ね、
この瞬間を共にできた喜びを分かち合う。

亭主によって道具が活かされ、道具によって心と心が繋がっていく。

茶会とは何と楽しい空間と時間だろう!



今回は、私のガラス平鉢「夢で見た花」を菓子器としてお使いいただいた。
笹ほたるという水菓子とともに、夏のお席を涼やかに演出した。

新作の「呼継」も、点心席の床の間で目を留めていただいた。

作り手として、作品に共感していただけることは、この上なく嬉しい。

林屋晴三先生は、次回もまた、客を驚かせ、期待以上に楽しませてくれることだろう。